バーレーン ビジネス法務ガイド
※ 本ページは2026年7月31日時点の法令・公表情報に基づきます。法令・施行日・閾値は改正が頻繁なため、実行前に一次出典および専門家にご確認ください。
バーレーンは成文法を中心とする法体系で、民法1条が制定法・慣習・シャリーア・自然法という適用順序を明示的に定めています。フリーゾーンに依存せず全土で外資100%が可能である点が制度上の特徴で、税制は法人税なしからDMTT・CIT導入へ移行しつつあります。以下の21の論点で、法体系から紛争解決までを順に解説します。
この国の論点(21)
法体系・商習慣
法体系・商習慣|ビジネス文化と交渉バーレーンのビジネス文化|商習慣と言語
バーレーンは金融サービスを軸とし、GCC域内では手続の簡素さと外資への開放度が特徴とされます。商業登録はSijilatポータルで完結します。
商慣行
関係構築が意思決定に先行する点はGCC各国と共通します。サウジアラビア東部州へのアクセスを背景とした事業・居住需要があり、地域拠点としての位置づけを持ちます。
言語と文書
定款(MOA/AOA)はアラビア語で作成・公証します。国際取引では英語契約が広く用いられ、一定の事件では英語による訴訟も可能です。
暦と就業リズム
週末は金曜・土曜です。ラマダン期間中は就業時間が短縮されます。イスラム暦に基づく祝日は年により日付が変わります。
- 商業登録はSijilatポータルで完結する
- 定款はアラビア語で作成・公証する
- サウジ東部州へのアクセスが事業・居住需要の背景にある
7カ国で比較する:中東の法体系
外資規制
外資規制|外資規制の全体像バーレーンの外資規制|全土で外資100%が可能な制度
バーレーンは2016年以降の改革により現地パートナー・スポンサー要件を撤廃し、大多数の業種で外資100%が認められています。フリーゾーンに依存せず全土で100%が可能である点が制度上の特徴です。
外資100%の枠組み
商工観光省(MOIC)が所管し、登録は商業登録ポータル「Sijilat」で完結します。2024年のDecision 53号により対象業種が拡大されました。
フリーゾーン内でのみ外資100%が認められる制度とは異なり、標準ルートで全土での100%保有が可能です。
投資家向けの措置
従来、石油・ガス企業を除き法人所得税は課されていません(2027年に10%の導入が予定されています)。利益および資本の本国送金は自由で、為替管理は行われていません(米ドルペッグ)。
- 2016年以降の改革で現地パートナー・スポンサー要件が撤廃された
- 登録はSijilatポータルで完結する
- 2024年Decision 53号で対象業種が拡大された
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
外資規制|制限業種・除外分野バーレーンの制限業種|外資制限と業種別認可
外資制限、業種別認可、形態別要件が残る分野があります。制限・条件は業種コードと認可形態により異なります。
主な制限分野
- 商業代理店業(51%以上のバーレーン資本が必要)
- 銀行・保険(CBBの業態・形態別認可と資本要件。外国支店も存在)
- 認可ディストリビューター業(条件次第で51%要件)
- 一部の小売(自販機販売等は最低1株がバーレーン人)
- 報道・出版・特定のメディア分野
- 石油・天然資源等の戦略分野(政府関与が前提)
制限・条件は業種コードと認可形態により異なります。なお、DMTTの7.5億ユーロという基準は多国籍企業グループの課税に関するものであり、外資所有の要件とは別の制度です。
不動産所有
外国人の不動産所有は、1999年法律40号(GCC国民)、2001年立法令2号(非バーレーン人)が規律し、区域の指定は2003年首相決定43号ほかによります。GCC国民は原則として王国全域、その他の外国人は指定された投資区域に限られます。
- 商業代理店業は51%以上のバーレーン資本が必要
- 制限・条件は業種コードと認可形態により異なる
- DMTTの7.5億ユーロ基準は外資所有要件とは別の制度
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
外資規制|進出形態の選択バーレーンの進出形態|メインランド・BIIP・BLZ・金融
バーレーンの最大の特徴は、フリーゾーンに頼らずとも全土で外資100%の標準ルートが利用できる点にあります。製造・物流については投資パーク(BIIP)と物流ゾーン(BLZ)が用意されています。
4つのルート
| メインランド(MOIC) | 全土・標準ルート。外資原則100%。法人税は原則なし |
|---|---|
| BIIP(投資パーク) | 製造・輸出特区。100%。関税の免除・優遇 |
| BLZ(物流ゾーン) | 物流・再輸出。100%。関税免除・再輸出 |
| 金融(CBB認可) | 銀行・保険・資産運用。100% |
制度上の特徴
現状ではほとんどの事業に法人所得税が課されません(大規模多国籍企業のDMTTを除きます)。フリーゾーンを利用する必然性は他のGCC諸国と比べて小さく、標準ルートで足りる場面が多い構造です。
銀行・保険・金融についてはバーレーン中央銀行(CBB)の認可が別途必要となります。
- フリーゾーンに頼らず全土で外資100%の標準ルートが利用できる
- ほとんどの事業に法人所得税は課されない(DMTTを除く)
- 銀行・保険・金融はCBBの認可が別途必要
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
外資規制|税制バーレーンの税制|法人税なしからCIT導入へ
バーレーンは原則として法人所得税を課さない税制をとってきましたが、2025年からDMTT15%が適用され、2027年には法人税10%の導入が予定されています。VATは10%です。
現行の税制
| 法人所得税(CIT) | 原則なし(石油・ガス企業を除く) |
|---|---|
| 個人所得税・キャピタルゲイン | 課されない |
| 付加価値税(VAT) | 10%(2019年導入、2022年に5%から引上げ) |
| DMTT | 15%(2025年1月以降の会計年度から適用) |
DMTT(国内ミニマム課税)
OECDの第2の柱に基づき、2025年1月以降の会計年度から適用されます。連結売上7.5億ユーロを超える多国籍企業(MNE)グループが対象で、GCCで初の導入となりました。
法人税(CIT)法案
2025年12月29日に10%の法案が議会へ付託されました。売上100万BHD超または純利益20万BHD超が対象とされ、2027年が目標とされています(2026年7月時点で法案の段階です)。
- 現行では原則として法人所得税は課されない(石油・ガスを除く)
- VATは10%(2019年導入、2022年に5%から引上げ)
- CIT10%法案は2025年12月29日付託、2027年目標(2026年7月時点で法案)
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
現地法人の管理
現地法人の管理|会社形態の比較バーレーンの会社形態|WLLを中心とする類型
商業会社法(2001年法律21号)が複数の会社類型を規定し、WLL(有限責任会社)が最も一般的な進出形態です。複数回の改正(2014年50号・2015年28号・2018年1号等)を経て現行の内容となっています。
主な形態
| 有限責任会社(WLL) | 最も一般的。社員50名まで。最低資本金の法定なし。承認業種は外資100%可 |
|---|---|
| 非公開株式会社(BSC Closed) | 発起人2名以上、最低資本金25万BHD。株式の公募は不可 |
| 公開株式会社(BSC Public) | 最低資本金100万BHD。バーレーン証券取引所に上場可 |
| 支店(Branch) | 外国会社の支店。別法人格ではなく親会社が責任を負う |
| 代表事務所 | 市場調査・連絡業務のみ。営業・収益活動は不可 |
| パートナーシップ | 合名・合資等の人的会社。専門職事務所等で利用 |
| BIIP/BLZ法人 | 投資パーク・物流特区に基づく法人 |
WLLの特徴
社員は50名までで、最低資本金の法定はありません(業種・許認可・銀行の実体要件により必要資本は変動します)。株式の公募増資はできません。持分は譲渡可能ですが、先買権および定款の手続が問題となります。社員の責任は出資額を限度とします。
経営は1名以上のマネージャー(取締役)が担います。業種・許認可により居住者の選任等が求められる場合がありますが、これは会社法上の一般的な要件ではありません。総会は年1回以上開催し、定款変更等は持分75%の特別決議によります。会計監査が必要で、監査人を選任します。
- WLLは社員50名まで、最低資本金の法定なし
- BSC Closedは最低資本金25万BHD、BSC Publicは100万BHD
- 定款変更等は持分75%の特別決議による
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
現地法人の管理|設立手続と必要書類バーレーンの会社設立|Sijilatで完結する手続
設立・定款承認・商業登録(CR)は、商業登録ポータル「Sijilat」で完結します。銀行・保険・金融についてはCBBの認可が別途必要です。
手続の順序
まず業種と外資100%の可否を確認し、商号を予約してSijilatで申請します。定款(MOA/AOA)を作成・公証し、MOICの承認を得たうえで商業登録(CR)を取得します。その後、銀行口座の開設とLMRA/SIOへの登録を行います。
必要書類
定款はアラビア語で作成・公証します。親会社が出資する場合、登記事項証明書等について公証と領事認証が必要となります。業種別要件はSijilatに登載された現行要件によります。
- 設立・定款承認・商業登録はSijilatで完結する
- 定款はアラビア語で作成・公証する
- 銀行・保険・金融はCBBの認可が別途必要
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
現地法人の管理|ガバナンスと年次コンプライアンスバーレーンの現地法人管理|機関設計と年次義務
WLLは1名以上のマネージャーが経営し、会計監査と監査人の選任が必要です。賃金・拠出データはSIO/LMRAのポータルで管理されます。
機関設計
| WLL | 1名以上のマネージャー(取締役)が経営 |
|---|---|
| 総会 | 年1回以上開催 |
| 特別決議 | 定款変更等は持分75% |
| 会計監査 | 必要(監査人を選任) |
年次・継続的な義務
会計監査、商業登録(CR)の更新、LMRAの就労許可管理、SIOへの月次拠出が継続的な義務となります。賃金はWPS(賃金保護システム)を通じて送金され、データはSIO/LMRAのポータルで管理されます。
居住者要件
業種・許認可により居住者の選任等が求められる場合があります。これは会社法上の一般的な要件ではなく、業種ごとの認可要件によるものです。
- 会計監査が必要で監査人を選任する
- 賃金・拠出データはSIO/LMRAのポータルで管理される
- 居住者要件は業種・許認可によるもので会社法上の一般要件ではない
7カ国で比較する:外資規制・進出形態の7カ国比較
労務管理
労務管理|雇用契約の基本バーレーンの雇用契約|5年を超える有期契約の扱い
民間部門労働法(2012年法律36号)が根拠法で、更新を含め5年を超える有期契約は無期とみなされます(98条)。外国人の就労にはLMRA(労働市場規制庁)の就労許可が必須です。
根拠法と所管
民間部門労働法(2012年法律36号)は、国際労働基準に整合し、差別禁止・人身取引防止などを強化した内容です。所管は労働市場規制庁(LMRA)および労働省です。
契約の要件
有期・無期の双方が可能ですが、更新を含め5年を超える有期契約は無期とみなされます(98条)。賃金、労働時間、試用期間、休暇、解約予告を契約に明記します。賃金はWPS(賃金保護システム)を通じた銀行送金によります。
就労制度
2017年以降、フレキシ・パーミット等の就労制度が整備されています。外国人の就労にはLMRAの就労許可が必須です。
- 更新を含め5年を超える有期契約は無期とみなされる(98条)
- 外国人の就労にはLMRAの就労許可が必須
- 賃金はWPSを通じた銀行送金による
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
労務管理|労働時間・休暇バーレーンの労働時間と休暇|法定の枠組み
労働時間・休暇は民間部門労働法が定めます。ラマダン期間中は就業時間が短縮され、夏季の屋外労働には時間帯の制限が設けられています。
労働時間
法定労働時間と休憩、時間外労働の割増、休日労働の扱いが労働法に定められています。ラマダン期間中は就業時間が短縮されます。夏季には屋外作業の時間帯に制限が設けられています。
休暇
年次有給休暇、病気休暇、産休などが法定されています。未消化分の取扱いと退職時の清算方法については、法定の水準と契約の定めの関係が問題となります。
法定水準との関係
労働法の定める水準を下回る合意は無効となります。就業規則を作成する場合、各条項が法定の水準を満たすかが問題となります。
- ラマダン期間中は就業時間が短縮される
- 夏季には屋外作業の時間帯に制限が設けられている
- 法定の水準を下回る合意は無効となる
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
労務管理|賃金・社会保険(SIO)と退職金改革バーレーンの賃金とSIO|退職金の月次拠出制
民間部門に法定の最低賃金はなく、賃金はWPSと社会保険(SIO)により管理されます。2024年3月から、外国人労働者の退職金がSIOへの月次拠出制へ移行しました。
賃金と社会保険
| 法定最低賃金(民間) | なし(公的部門のバーレーン人には非法定の目安として月300BHD) |
|---|---|
| WPS | 賃金はWPS経由の銀行送金が義務。未払いの監督に活用 |
| SIO | 年金・労災・失業・退職金を一元管理し、雇用主が月次拠出 |
退職金制度の改革(2024年3月〜)
従来は雇用主が退職時に一括で支払い、社内で積み立てる方式でした。2024年3月からは、雇用主がSIO(社会保険機構)へ月次で拠出し、退職時に労働者がSIOへ直接申請する方式へ移行しています。
拠出率は最初の3年が月給の4.2%、4年目以降が8.4%です。未拠出には20%の追徴・利息等の制裁が定められています。対象は民間部門の外国人労働者で、2024年3月の施行日より前の勤続期間については従来方式により雇用主が支払います。決議109号(2023年)に基づく改革です。
- 民間部門に法定の最低賃金はない
- 退職金は2024年3月からSIOへの月次拠出制(4.2%/8.4%)
- 施行日前の勤続期間は従来方式により雇用主が支払う
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
労務管理|解雇・契約終了バーレーンの解雇と労働紛争|手続と証拠
解雇の適法性は、法定事由への該当性と解約予告の履践により判断されます。退職金については2024年3月以降、SIOへの月次拠出制が適用されます。
契約の終了
解約予告の期間と手続が労働法に定められています。更新を含め5年を超える有期契約は無期とみなされるため(98条)、契約終了の規律もこれに応じて変わります。
退職金
2024年3月以降、民間部門の外国人労働者の退職金はSIOへの月次拠出により手当てされます。施行日より前の勤続期間については、従来方式により雇用主が支払います。
労働紛争の解決
労働紛争は所管当局への申立てを経て、解決しない場合に裁判所へ移行します。契約書、WPSの送金記録、SIOの拠出記録が判断の資料となります。
- 5年を超える有期契約は無期とみなされる(98条)
- 退職金は2024年3月以降SIOへの月次拠出による
- WPS・SIOの記録が判断の資料となる
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
労務管理|バーレーン化(Bahrainisation)バーレーンのBahrainisation|比率規制とParallel System
業種・企業規模ごとに一定割合のバーレーン人雇用が求められ、LMRAが就労許可と雇用比率をシステムで管理します。比率が未達の場合、Parallel Bahrainisation Systemにより就労許可を取得する仕組みがあります。
比率規制
業種・企業規模ごとに一定割合のバーレーン人雇用が要求されます。LMRAが就労許可と雇用比率をシステムで管理します。
Parallel Bahrainisation System
比率が未達の場合であっても、就労許可の発行料に加算額を上乗せして納付することで許可を取得できる制度です(LMRA)。許可1件あたりの上乗せ額はLMRAの現行料金表によります。比率を満たす企業には加算手数料は適用されません。
支援制度
労働基金Tamkeenが研修・賃金補助により自国民雇用と人材育成を支援します。
- 業種・企業規模ごとにバーレーン人雇用比率が要求される
- Parallel Systemは加算額の上乗せ納付により許可を取得する制度
- 労働基金Tamkeenが研修・賃金補助を行う
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
労務管理|在留・就労資格バーレーンの在留・就労資格|LMRAの許可が基準
在留・就労資格については、LMRAの許可に記載された雇用主・職種が基準となります。転籍中は新しい許可が発給されるまで新雇用主のもとで就労できません。
LMRAの就労許可
LMRA許可に記載された雇用主・職種の業務に限って就労できます。転籍にはIntent to Transfer(転職システム)等のLMRA公式ルートを利用します。
就労許可、在留資格、CPR(住民登録)、旅券はそれぞれ期限が異なるため、別個に管理されます。ビザ・更新費用を労働者本人に不適切に負担させることは問題となります。
出向・兼務
グループ内の出向・兼務であっても、許可の要否を個別に確認することになります。契約、給与、申請、LMRA通知の記録が資料となります。
確認先
LMRA、NPRA(旅券・住民登録)、SIO(社会保険)がそれぞれの手続を所管します。
- LMRA許可に記載された雇用主・職種の業務に限って就労できる
- 転籍にはIntent to Transfer等のLMRA公式ルートを利用する
- 就労許可・在留資格・CPR・旅券は期限を別個に管理する
7カ国で比較する:労務・自国民化の7カ国比較
競争法
競争法|競争法の枠組みと当局バーレーンの競争法|MOIC消費者保護局による執行
競争促進・保護法(2018年法律31号)が根拠法で、2019年1月に施行されました。独立した競争当局は設置されておらず、商工省(MOIC)の消費者保護局が機能を代行しています。
法の枠組み
2018年法律31号がGCC諸国の競争法制と整合する内容で制定され、2019年1月に施行されました。規則72/2019(経済集中規制)が補完します。
公正な競争の促進、市場参入の確保、消費者保護を目的とし、反競争的協定・支配的地位の濫用・経済集中を広く対象とします。
執行体制
独立した競争当局は未設置で、MOICの消費者保護局が執行機能を代行しています。
- 根拠法は競争促進・保護法(2018年法律31号)、2019年1月施行
- 規則72/2019が経済集中規制を補完する
- 独立した競争当局は未設置でMOIC消費者保護局が代行する
7カ国で比較する:競争法・企業結合の7カ国比較
競争法|企業結合規制バーレーンの企業結合規制|閾値が官報上未確認の状態
法12条に基づき、大臣決定で指定される経済集中の類型は事前承認を要します。ただし届出を要する定量的閾値は、2026年7月時点で官報上確認できません。
届出の枠組み
競争を著しく減殺する経済集中は一般に禁止されます。法12条に基づき、大臣決定で指定される類型については事前承認が必要です。
届出を要する定量的閾値については、2026年7月時点で官報上確認できません。閾値を定める大臣決定も官報上確認できない状態です。
実務上の参照
閾値が確認できないため、実務では支配的地位の閾値(40%/60%)が判断の目安として参照されています。全ての経済集中が自動的に届出の対象となるわけではなく、指定決定・閾値の公表状況が確認の対象となります。
- 法12条に基づき大臣決定で指定される類型は事前承認を要する
- 届出を要する定量的閾値は2026年7月時点で官報上未確認
- 実務では支配的地位の閾値(40%/60%)が目安として参照される
7カ国で比較する:競争法・企業結合の7カ国比較
債権管理・紛争解決
債権管理・紛争解決|債権管理と回収の実務バーレーンの債権回収|契約設計と時効
債権回収の可否は、契約条項、担保・保証の有無、出訴期限の管理により左右されます。民法(2001年法律19号)が契約・債権関係の一般原則を規定します。
契約段階の設計
支払条件、遅延損害金、期限の利益喪失、担保・保証が契約上の要素となります。民法1条の適用順序により、制定法に規定がない事項については慣習・シャリーアが順次適用されます。
時効(出訴期限)
契約類型ごとに出訴期限が定められています。期間の経過により請求権の行使が制限されます。
回収の手段
交渉、国内裁判所への訴訟、BCDR(バーレーン紛争解決センター)、仲裁が手段となります。執行にあたっては、相手方の資産の所在が結果を左右します。
- 民法1条により制定法・慣習・シャリーアが順次適用される
- 出訴期限は契約類型ごとに定められている
- BCDRが国内裁判所と並ぶ選択肢となる
7カ国で比較する:紛争解決・債権回収の7カ国比較
債権管理・紛争解決|裁判制度バーレーンの裁判制度|国内裁判所とBCDR・BICC
バーレーンには、アラビア語で手続を行う国内裁判所のほか、英語の利用が可能なBCDRとBICCがあります。BICC(バーレーン国際商事裁判所)は2025年11月に始動しました。
国内裁判所
| 第一審 | 下級裁判所(少額)/高等裁判所(その他) |
|---|---|
| 控訴審 | 高等控訴裁判所 |
| 上告審 | 破毀院(Court of Cassation) |
| 憲法裁判所 | 憲法事件 |
| シャリーア裁判所 | 家族・相続 |
第一審は請求額等により部門が分かれます。手続は原則としてアラビア語によりますが、一定の事件では事前の書面合意等により英語訴訟も可能です。
BCDR
バーレーン紛争解決センター(2009年設立、法令30/2009号・改正あり)です。BCDR Courtは50万BHD超の事件および国際商事・CBB金融機関関係等の法定類型を扱います。仲裁・調停センター(旧BCDR-AAA、2022年規則)も併設され、英語の利用が可能です。
BICCとGCCCAC
BICC(バーレーン国際商事裁判所・勅令9/2024)は2025年11月に始動しました。合意管轄、英語手続、外国弁護士の代理が認められ、英語判決はSICC国際委員会へ上訴できます。GCCCAC(湾岸商事仲裁センター)もバーレーンに本部を置きます。
- BCDR Courtは50万BHD超および国際商事等の法定類型を扱う
- BICC(勅令9/2024)は2025年11月に始動した
- BICCでは英語手続・外国弁護士の代理が認められる
7カ国で比較する:紛争解決・債権回収の7カ国比較
債権管理・紛争解決|仲裁とADRバーレーンの仲裁|BCDRとニューヨーク条約
バーレーンはニューヨーク条約の締約国であり、BCDRの仲裁・調停センターとGCCCACが仲裁機関として利用されます。英語での手続が可能な点が制度上の特徴です。
仲裁機関
BCDRの仲裁・調停センター(旧BCDR-AAA、2022年規則)が国際的な実務に即した運用を行い、英語の利用が可能です。GCCCAC(湾岸商事仲裁センター)もバーレーンに本部を置きます。
裁判と仲裁の比較
| 言語 | 国内裁判所は原則アラビア語/仲裁・BCDR・BICCは英語が可能 |
|---|---|
| 公開性 | 裁判は原則公開/仲裁は非公開 |
| 専門性 | 仲裁人の選任により専門性を確保できる |
| 執行 | ニューヨーク条約により外国仲裁判断の執行の枠組みがある |
仲裁条項の要素
準拠法、仲裁地、言語、仲裁機関、仲裁人の数と選任方法が仲裁条項の要素となります。
- バーレーンはニューヨーク条約の締約国
- BCDR仲裁・調停センターとGCCCACが仲裁機関として利用される
- 英語での手続が可能な点が制度上の特徴
7カ国で比較する:紛争解決・債権回収の7カ国比較
- フリーゾーンに頼らず全土で外資100%の標準ルートが利用できる
- DMTT15%は2025年から、CIT10%法案は2027年目標
- 外国人労働者の退職金は2024年3月からSIOへの月次拠出制